オリジナル料理を創作する人工知能ソフト「シェフワトソン」を開発した米IBMのエンジニア(左)と米人気料理雑誌「ボナペティ」の編集者=2014年6月30日、米ニューヨーク(AP)【拡大】
今回のレシピ本の作成に当たって、シェフワトソンは「ローズマリーとじゃがいも」といった料理をおいしくする膨大な食材の組み合わせを学習。そのデータを基に、斬新で味の相互作用が楽しめるだけでなく、食材が含む栄養素や化合物も考慮して、数千種類の料理レシピを考案した。これを約100種類に絞り込み、最終的に65種類まで厳選した。
料理はどれも、分子レベルで人々に喜びや楽しさを与えるものだという。IBMのワトソン研究センターのスティーブ・エイブラムス所長は英紙デーリー・テレグラフ(電子版)に「このレシピ本は、ワトソンがどれほどの実力を持つかだけでなく、人間と機械が行う将来の共同作業における驚異的な可能性をも示している」と胸を張った。
衝撃的な組み合わせ
実際、食材の組み合わせはどれも刺激的だ。例えば「オーストリア風チョコブリトー」は、チョコレートとシナモンを混ぜた牛ひき肉、つぶした枝豆、アンズのピューレをトルティーヤ(トウモロコシの薄焼きパン)で巻いたもの。「ベトナム風アップルケバブ」は、リンゴ入りの鶏肉のミートボールとカレー味の鶏肉をイチゴとパイナップルで味付けした。