声優を使う側としては、経験者の方が何となく安心感がある。「女優の仕事は減りましたが、声の仕事はいくらでも取れました。私は自然とこの世界に入っちゃったんです」。
せりふをとちらないとか、演技がうまい、下手…といった次元を超えて、次第に野沢への信用が生まれていったのだろう。
「最初は声優と呼ばれるのは大っ嫌いだったんですよ。やりたいと思ったことはなかった。でも今は声優が一番楽しい仕事です」。4月18日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:寺河内美奈/ SANKEI EXPRESS)
■のざわ・まさこ 1936年10月25日、東京都生まれ。日本の声優の草分け。劇団ムーンライト主宰。声優としての代表作は、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎役、「銀河鉄道999」の星野鉄郎役、「ど根性ガエル」のひろし役など。「ドラゴンボール」シリーズでは、孫悟空、孫悟飯、孫悟天のメーンキャラクター3役をこなす。洋画の吹き替え、ナレーターとしても活躍。