記念撮影に臨むG20財務相・中央銀行総裁会議の参加者ら=2015年4月17日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】
G20の共同声明ではAIIBへの言及はなかったが、議長を務めたトルコのババジャン副首相は閉幕後の記者会見で「トルコ副首相としては歓迎する」と持ち上げた。
「世界は多極化し、国際秩序の変化が加速している。国際的な仕事を大国が独占してはならない」(中国の習近平国家主席)。新興国に共通する既存体制への不満が、AIIBが支持を集める原動力になったのは明らかだ。
地位低下危ぶむ声
AIIBは57カ国が創設メンバーだ。その中に先進7カ国(G7)に名を連ねる英国、ドイツ、フランス、イタリアも含まれていることが日米の対応を難しくしている。
日本の財務省は当初、G7の結束の強さを疑わず、先進国からの参加はないだろうと高をくくっていた。しかし英国が参加を決めると、雪崩を打つように、他の3カ国も加盟を表明。財務省幹部は「AIIBの信用力が一気に増した」と驚き、読みの甘さを認める。