南シナ海のスービ礁で中国が進めている埋め立て作業。礁の右側の砂で埋め立てられている部分は、周囲に停泊している船の大きさなどから、滑走路が建設可能な規模で造成されていることが確認できる。撮影は2015年4月12日(フィリピン軍提供・共同)【拡大】
フィリピン軍制服組トップのカターパン参謀総長は20日、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に位置するスービ(中国名・渚碧)礁で、中国が滑走路の建設を可能とする大規模な埋め立てを進めている様子を上空から撮影した写真を公開し、「中国の真意を勘ぐらざるを得ない」と懸念を表明した。
参謀総長はスービ礁の位置が、フィリピンの実効支配下にあり、滑走路も存在するパグアサ(英語名ティトゥ)島から約25キロと近いことに言及。中国による埋め立てが軍事施設の建設を視野に入れていると示唆したうえで、「フィリピンへの挑戦となる」と述べた。周辺各国が領有権を主張するスプラトリー諸島の周辺海域では、先にファイアリークロス(中国名・永暑)礁で、中国による滑走路を建設できる規模の埋め立てが確認されている。