「無法」ドローン　官邸の限界破る　微量セシウム検出、放射線マークも (2/3ページ)

　犯行声明などは確認されておらず、その目的は不明だ。ただ、放射性物質が検出されたことから、「反原発」のメッセージとの見方も出ている。

　脅威、打つ手なし

　国内では来年、主要国首脳会議（サミット）が開催予定で、２０２０年には東京五輪・パラリンピックという大イベントも控えており、警戒感が強まっている。

　「意図が分からないが、不安をあおる極めて悪質な行為。背景や動機を明らかにしなければならない」と、捜査関係者は強調する。

　周辺から検出されたセシウム１３４、１３７は、２０１１年３月の東京電力福島第１原発事故で大気中に放出された放射性物質と同じ種類だ。事件に関与した人物が「原発」に対して何らかの主張を伝えようとした可能性がある。

　首相官邸という最重要施設へのドローンの侵入を許したうえ、放射性物質も検出されるという重大事態を受け、警視庁は思想犯を捜査する公安部を中心に捜査本部を設置し全容解明を進める方針だ。

小型の無人飛行機「ドローン」とは