一方で、現在の日本の航空法には、ドローンが低空で飛ぶ際の規制はほとんどない。空港周辺を除けば航空機のルート下は150メートル未満、それ以外は250メートル未満の低空なら届け出なしで飛ばすことができる。操縦免許の制度もなく「無法状態」との指摘もある。
警察庁幹部は「存在そのものが脅威」と危機感を強める。また、別の捜査幹部は「規制をかけても、悪意ある人物によって突然、空から侵入されたら打つ手がない」と指摘した。
「サミットや東京五輪の開催が迫る中で喫緊な対応が必要なリスクがはっきりと現れた。法整備や規制を急ぐべきだ」。国際テロリズムに詳しい公共政策調査会の板橋功氏は、早急な検討の必要性を強調した。(SANKEI EXPRESS)
■ドローン 無線などの遠隔操作で飛ばすことができる無人機の通称。英語の「雄バチ」や「ぶんぶん飛ぶ音」が語源とされる。第二次世界大戦後、米国などで開発が進み、当初は偵察や空爆といった軍事目的に利用されていた。最近は民間での開発が活発化し数千円で購入できるものもある。