天安門広場近くの土産物店で陳列された習近平国家主席関連のグッズ。中国では「法による支配の強化」が提唱されながら、天安門事件から26年が経った今でも「人治」が幅を利かし、習氏のカリスマ化が日に日に進められている=2015年3月4日、中国・首都北京市(AP)【拡大】
熊氏は今年2月、故郷の湖北省で暮らす母親が重いアルツハイマー病を患い、地元病院の医師から「余命は長くない」と宣告されたことを知った。母親を見舞いたいと米テキサス州ヒューストンの中国総領事館にビザを申請したが、発給を拒否された。天安門事件後に海外に亡命した民主化活動家に対し、中国当局は原則的に中国への再入国を認めない方針だ。
帰国認めぬ当局に批判
熊氏は4月11日、ネットを通じて習主席への公開書簡を発表した。「数十年来、母親にお茶の一杯も入れてあげたこともなく、心配ばかりかけた息子として今は申し訳ない気持ちでいっぱいだ」などとつづられた手紙の中で、「中国は孝道を重んじており、母親を思う気持ちは政治とは全く無関係だ」と強調し、帰国を許可するよう繰り返し懇願した。
書簡が発表された5日後の16日、共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は要求を拒否する趣旨の社説を掲載した。熊氏が昨年、米国メディアの取材に応じた際、中国政府から違法組織と指定された気功団体、法輪功を支持する発言をしたことや、「中国は政治制度を変更すべきだ」と主張したことなどを例に挙げ、「今も中国を傷つける政治活動をやめていない」と断罪した。