記者会見するアジア開発銀行の中尾武彦総裁=2015年5月5日、アゼルバイジャン・首都バクー(共同)【拡大】
今年3月にADBを「官僚主義」と言い放った楼氏だが、今回は批判を抑えた。総会の開幕直前には、AIIB初代総裁への就任が確実視される金立群・元財務次官がADBの中尾武彦総裁と友好的に会談。ADBと対等な国際金融機関としてAIIBを世界に印象付ける-。中国の動きからは、そんな意図がうかがえた。
「ADBはもっと大きくなる必要がある」
インドのジャイトリー財務相は、年間8000億ドル(約96兆円)とも言われるアジアのインフラ需要に応え切れていないADBへの不満を漏らした。AIIBへの期待は「手続きが煩雑で反応が遅い」(ジャイトリー氏)など、ADBへの不満の裏返しでもある。
防戦を強いられた中尾ADB総裁は5日の総括演説で「近い将来、加盟国から増資の支持をとりつけたい」と資本増強に言及した。新興国の発言力を高めることにつながる増資に踏み込まなければ、加盟国の不満を解消できないと危機感を高めたためとみられる。