逸ノ城(いちのじょう、奥)が突き落としで白鵬(手前)を破る=2015年5月10日、東京都墨田区・両国国技館(共同)【拡大】
大相撲夏場所初日は10日、両国国技館で行われ、史上初となる2度目の7連覇を目指す横綱白鵬が小結逸ノ城(いちのじょう)に突き落とされる波乱のスタートとなった。初日に黒星を喫するのは2012年夏場所以来3年ぶり。
横綱日馬富士(はるまふじ)は小結栃煌山(とちおうざん)を上手投げで下し、大関陣はいずれも白星発進。稀勢の里は宝富士を寄り切り、琴奨菊は栃ノ心を下手投げで、豪栄道は豊ノ島を寄り切りで退けた。
関脇は明暗が分かれた。先場所13勝の照ノ富士は佐田の海に寄り切られ、妙義龍は安美錦を押し出した。左膝のけがで先場所を途中休場した遠藤は勢に突き落とされた。
満員札止めの館内で逸ノ城が大波乱を起こした。白鵬に5度目の挑戦で初めて土をつけて座布団が舞い「うれしいです」と素直に笑った。
横綱が待ったをした後の2度目の立ち合い。差した右をとっさに抜き、207キロの巨体でつぶすように右から突き落とした。「右を中途半端に差したら駄目。あとは流れだった。前に出て勝たないといけない。自分の相撲じゃない」と反省の言葉を並べたのは向上心の表れか。