逸ノ城(いちのじょう、奥)が突き落としで白鵬(手前)を破る=2015年5月10日、東京都墨田区・両国国技館(共同)【拡大】
新入幕の昨年秋場所で13勝を挙げながら、周囲の予想とは裏腹に伸び悩みを感じさせた。稽古不足を指摘され、太るばかり。鳥取城北高時代からの盟友、照ノ富士に注目は移った。場所前の稽古で白鵬に転がされ、砂まみれになった。「以前のことを考えても仕方ない。新しいページをつくりたい。一から頑張る」と、前日に過去の対戦映像も見なかった。開き直りが「恩返し」につながった。
7連覇を狙う白鵬の出ばなをくじき、いきなり混戦の様相をつくったことが何よりの殊勲だ。北の湖理事長(元横綱)は「他の力士も研究して、こうやって白鵬に向かっていけばいい。それによって、これからの優勝争いも変わっていく」と激しい賜杯レースを期待。初日の主役は「まだ始まったばかり。気合を入れて白星を取っていきたい」。待っていたファンから大歓声を受けた帰り際も表情を変えず、のっしのっしと引き揚げた。(SANKEI EXPRESS)