投票日を迎えた17日、街頭演説で懸命に支持を訴える大阪維新の会代表の橋下(はしもと)徹・大阪市長=2015年5月17日午後、大阪市中央区(沢野貴信撮影)【拡大】
通常の選挙ではあり得ない投票日当日の訴えに聴衆は大きな拍手を送った。「国政政党の立ち上げも含め全て都構想のためにやってきた」と公言する橋下氏は「住民に支持されなかったら政治家の能力がない。早々と政治家をやめないとダメだ」と退路を断った。
無駄遣い「頭にきた」
都構想の原点は5年前にさかのぼる。橋下氏は2008年2月、当時全国最年少の38歳で大阪府知事に就いた。「一生懸命、働いて稼いだ税金を役所に無駄遣いされて頭にきた」と改革に邁進(まいしん)した。だが、次第に大きな壁にぶち当たる。大阪府と大阪市の対立だ。双方の水道事業の統合が話し合いの末に頓挫したことをきっかけに10年春、役所機能の再編による二重行政解消を目的とした都構想を打ち上げた。
地域政党「大阪維新の会」を発足させ、11年には自身が市長選に“くら替え”して挑んだ知事・市長選のダブル選で圧勝。都構想実現に必要な法改正が実現すると、12年に日本(にっぽん)維新の会(現・維新の党)を結成した。