投票日を迎えた17日、街頭演説で懸命に支持を訴える大阪維新の会代表の橋下(はしもと)徹・大阪市長=2015年5月17日午後、大阪市中央区(沢野貴信撮影)【拡大】
ただ、住民投票までの道のりは一筋縄ではなかった。結党直後の衆院選は選挙協力の見返りに公明党から都構想への協力をとりつけたが、制度設計を担う会議の進め方をめぐり14年に決裂。しかし、昨年12月の衆院選では自ら公明党の対立候補になる可能性に言及して公明に揺さぶりをかけ、衆院選後に住民投票実施容認にカジを切らせた。
投票率ダブル選超え
住民投票では大阪維新幹事長の松井一郎府知事(52)と手分けし、路地裏やスーパー前なども回った。昨年から始めたツートップの“どぶ板演説”は600回を超えた。世論調査で反対優勢が伝えられる中、終盤には新聞折り込み用ビラにこう書き込んで支持を呼び掛けた。
「僕のことはキライでもいい。でも、大阪がひとつになるラストチャンスなんです」
投票率は66.83%で、出馬し知事選とのダブル選となった11年11月の市長選(60.92%)を超え、有権者の関心を高めることには成功した。だが、結果は否決。しがらみを断ち切った「ふわっとした民意」をよりどころに、批判も恐れず敵対勢力を罵倒してきた橋下氏の夢はついえた。(SANKEI EXPRESS)