レールガンより5年程度早く、中国軍に立ちはだかる兵器もデビューした。ONRが開発し、2014年12月の実射で小型船舶と無人偵察機を葬った艦載の《レーザー・ウェポン・システム》だ。ミサイル発射は1発数十万ドルもするが、レーザー砲は1照射当たり1ドルに満たなく、DIIや相殺戦略のコンセプトにも合致する。実弾・ミサイルの格納スペースは不要で、被弾時の危険性も逓減できる。
破壊力を高め戦闘機やミサイルも標的に性能向上が進む。特に弾道ミサイルはマッハ20(秒速7000メートル)級で襲来し、ミサイル防衛(MD)システムが発射するミサイルでの迎撃は完璧ではない。だが、光速=秒速30万キロ前後で照射される電磁波を使ったMDの完成は、日米の防衛力を前例がないレベルに高める。従って、米国の軍・企業は迎撃ミサイルの研究→開発→配備を反復する一方、超高度技術の壁故に積極性の時期的濃淡はあるものの、電磁波版MDの研究・開発をやめなかった。米側は過去、この分野で高い民生技術を培ってきた日本の民間企業に何度も技術協力を打診してきた。従来型MD同様、電磁波版MDの日米共同開発は、国益を損なわぬやり方を担保すれば実施すべきだろう。