自らが党首を務める国民運動連合(UMP)の党大会で、新党名「共和党」のロゴを背に演説するフランスのニコラ・サルコジ前大統領。「政権奪還を実現させる」と豪語した=2015年5月30日、フランス・首都パリ(ロイター)【拡大】
フランスでは国家を指す場合、単に「共和国」と呼ぶことが多い。このため、与党・社会党を中心とする左派陣営は、フランス人全ての共有価値であり、その価値を示す「共和国」の名を一政党が名乗るのは許されないとして先月、党名変更を認めないよう裁判所に仮処分を求めていた。これに対して司法当局は5月26日、仮処分申請を却下した。ただ、世論調査では全国民の約70%、UMP支持者でさえ約40%が共和党への党名変更に「反対」といった結果も出ており、中立系有力紙ルモンドは社説で「共和党を名乗るのは無礼、傲慢、かつ無責任だ」と批判していた。
サルコジ氏は30日の党大会での演説で「(新党名は)共和国の衰退を止めたいと願う全ての人のためのスローガンだ」と力説。さらに「異議を唱える左派は、共和国のために一体何をやったというのか。国家を衰退させ続けているだけだ」と強調した。