最初は楽好に反対していたおじいちゃんも、「体がきつい」とグチをこぼすおばあちゃんも、何だかんだ言いながら楽好の手伝いに集まってくる。こんな世話焼きの光景もいい。
東日本大震災で、島は甚大な被害を受けた。そのときも1年かけて黙々と砂浜のがれきを片付け、楽好を再開した。自分のことだけで手いっぱいだったときに、子供のために行動した。
「幸せな経験を少しでもしてもらいたい。将来、自分の家庭をもったときに戸惑わないように」。桶谷さんは静かに話した。今から夏の受け入れの準備を進めている。
親の愛を感じられずに苦しむ子供は多い。家族に根ざす問題もなくならない。でも、血がつながっていなくても、何の見返りも求めず、こんなに思ってくれている人がいる。人はそれだけで生きていける。(小川記代子/SANKEI EXPRESS)