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【佐藤優の地球を斬る】露挑発するウクライナ政権 日本は距離を (2/3ページ)

2015.6.7 10:30

ウクライナ南部オデッサ州知事に任命され、住民と握手するミハイル・サーカシビリ氏(中央)とペトロ・ポロシェンコ大統領(左)=2015年5月30日、ウクライナ・オデッサ(ロイター)

ウクライナ南部オデッサ州知事に任命され、住民と握手するミハイル・サーカシビリ氏(中央)とペトロ・ポロシェンコ大統領(左)=2015年5月30日、ウクライナ・オデッサ(ロイター)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 サーカシビリ氏は、キエフ大学を卒業しているので、ウクライナには広範な人脈を持っている。06年8月7日、当時、グルジア大統領であったサーカシビリ氏が、ジョージアとロシアの協定によってロシア軍が駐留していた南オセチア自治州に、ジョージア軍を派遣し、ロシア・ジョージア戦争が勃発した。この戦争でジョージアは大敗し、南オセチアとアブハジアの実効支配が不可能になった。この2地域は、一方的にジョージアからの独立を宣言した。アブハジアと南オセチアの政権は、事実上、ロシアによって支えられている傀儡(かいらい)政権だ。

 ロシア・ジョージア戦争が勃発した時点で、サーカシビリ氏は、「先に軍事行動を開始したのはロシア側だ」という主張を展開していたが、3カ月後の06年11月28日にジョージア側の方が先に軍事行動を開始していたことを認めた。サーカシビリ氏の挑発行為により、トランス・コーカサス地域の不安定化が加速した。このような人物をポロシェンコ大統領がロシア系住民の多いオデッサ州知事に任命したことは、ロシア系住民とロシアのプーチン政権に対する挑発行動に他ならない。

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