首都ソウル近郊の仁川国際空港で6月7日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染を防ぐため、マスクを身につけてゲートに向かう親子=2015年、韓国(AP)【拡大】
サムスンソウル病院の感染者は医師2人を含む計17人で、医師のうち1人は、地元の集会などに参加し1500人以上の不特定多数と接触したことが分かっている。サムスンソウル病院以外での新たな感染者は、最初の患者が確認され多数の感染者を出している平沢(ピョンテク)聖母病院(京畿道(キョンギド)平沢市)の3人など。
韓国政府は、ウイルスは国内で変異しておらず、確認されたのはすべて病院内での感染だとしている。しかし、保健福祉省が感染を確認したと7日に発表した南西部、全羅北道の女性(72)が、感染の疑いがあるとして自宅隔離を指示されたのに無視し、近隣住民と自由に接触していたことが分かった。当局は感染拡大の恐れがあるとみて、女性が住む人口約100人の集落を封鎖。感染の全国拡散を警戒している。
症状訴えた女性帰す
韓国の文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉相(58)は当初、「アリ一匹も通れない」万全の防疫措置を取ると強調していた。しかし、韓国メディアによると、当局は感染者の病室に見舞いに訪れた人たちの行動把握をせず、病院側も自覚症状を訴え自ら隔離を求めた女性を帰宅させるなどの失態を犯している。