インカを旅した。オリャンタイタンボ近郊にある民芸品店に入ってみた。展示してあった素焼きのつぼとつぼの間からネコちゃんがころがりながら出てきた。古びた部屋が急に明るくなった。
オリャンタイタンボは、インカ帝国時代からある村だという。ウルバンバ川が流れる緑豊かな渓谷にあり、一帯は「聖なる谷」と呼ばれている。私はマチュピチュの遺跡を見たあと、マチュピチュ駅から高原列車ペルーレイルに乗り、オリャンタイタンボに着いた。
「聖なる谷」にはモライ、マラス、チンチェーロ、ピサック、ウルバンバなどの村があるが、いずれもインカ時代から続く古い村だ。このあたりの村はスペイン軍との戦いに見舞われ徹底的に破壊されたそうだが、インカ時代の遺跡は今もアンデスの人々の生活に生き続けている。
村々では「チチャ」というトウモロコシで造る自家製のお酒を売っている。チチャはインカの神事になくてはならないお酒だったそうで、赤いビニールを巻いた棒を掲げてあるのが目印だ。店では試飲もできて多くの観光客でにぎわっていた。