≪そばにいるだけであったかな気持ち≫
マチュピチュ遺跡は標高2430メートルの尾根に、インカ帝国の人々によって15世紀に作られた「空中都市」だ。1911年にアメリカの探検家、ハイラム・ビンガム(1875~1956年)によって発見され、83年にユネスコの世界遺産に登録された。
遺跡の麓にある人口3000人ほどのアグアス・カリエンテスは遺跡を目指す観光客でいつもあふれかえっている。スペイン語で「熱い水」を意味する名前の通り、アグアス・カリエンテスはもともと温泉が湧く地元の保養地として知られていたが、マチュピチュが世界遺産になって以降、世界中から毎日、数千の観光客が押し寄せるようになり、いまでは「マチュピチュ村」との通称で呼ばれることもある。
そんなアグアス・カリエンテスの素顔を見たくて、出発する日の早朝、まだ静かな村を散策してみた。太鼓橋の下を流れるアグアス・カリエンテス川のせせらぎが心地よい。駅前マーケットにあるお土産屋さんの前を通りかかると、店先を掃除している婦人と犬に出会った。