ソウル市内の小学校で、中東呼吸器症候群(MERS)感染防止のため、マスク姿で体温のチェックを受ける児童=2015年6月9日、韓国・首都ソウル(ロイター)【拡大】
中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大している韓国で、8日に感染が分かった男性(59)は3日に感染が疑われていたのに、連絡を受けた保健当局が何も対応を取らずに4日間放置し、その間に男性が計約360人と接触していたことが9日分かった。
さらに、40代妊婦の1次検査で陽性反応が出たことも判明。2人とも、病院名の公表が遅れたため感染の危険に気づくのが遅れたとみられ、公表を渋った政府に批判が強まっている。
韓国メディアによると、男性は多数の院内感染者が出たサムスンソウル病院を5月末に見舞いのため訪れ、6月3日に高熱が出た。南西部全羅北道の病院で受診し、同病院はMERS感染を疑い保健当局に連絡した。
しかし当局は何の措置も取らず、男性はさらに別の2病院で受診。7日に政府がサムスンソウル病院で感染者が出たと公表したことから自ら感染の可能性を疑い、当局に連絡し検査を受けた。翌日感染が確認された。
40代妊婦も5月27日に同病院に母を訪ねた際に感染した疑いが強い。女性は今月出産予定で、同病院によると、8日に本人が検査を要請した。