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【佐藤優の地球を斬る】露とバチカン 「ギブ・アンド・テーク」の理由 (2/3ページ)

2015.6.15 15:00

バチカンで会談するローマ法王フランシスコ(左)と、ウラジーミル・プーチン露大統領=2015年6月10日、バチカン(ロイター)

バチカンで会談するローマ法王フランシスコ(左)と、ウラジーミル・プーチン露大統領=2015年6月10日、バチカン(ロイター)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 ウクライナ和平へ努力

 一般にはあまり注目されていないが、バチカンはウクライナ紛争の重要な当事者である。ウクライナのポロシェンコ政権は、中央ウクライナと西ウクライナを基盤にしている。特に西ウクライナのリボフ(リビウ)州を中心とするガリツィア地方は、ユニエイト(東方帰一)教会の強い地域だ。ユニエイト教会では、下級司祭は妻帯し、イコン(聖画像)を崇敬するなど、見かけはロシア正教に似ているが、ローマ法王の首位権を認め、教義的にもカトリック教会の立場を取る独自の教会だ。ユニエイト教会は、ウクライナ民族主義と結びついて、反ロシア勢力の拠点になっている。

 バチカンは、<法王はプーチン氏に対してウクライナ東部の和平実現に向け、「誠実な努力」を促した>と発表している。この内容を表に出すことはロシア側も同意しているはずだ。すなわち、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州の親ロシア派武装勢力が紛争をエスカレートさせないようにする働きかけをすることをプーチン氏が法王に約束したから、この内容が表に出たのだと思う。

バチカンにとって最大の脅威は…

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