≪「謝るのも責任」 トップが危機対応≫
トヨタ自動車の豊田社長自らが記者会見を開いて謝罪した背景には、ブランドイメージに打撃を与えかねないという危機感があった。今後も「真のグローバル化」を継続する考えを強調した豊田社長だが、改めてリスク管理のあり方が問われている。
「私自身が自分の言葉で説明することが大切だと考え、こうした場を急遽(きゅうきょ)設けさせてもらった」
会見の冒頭、豊田社長は理解を求めた。
ハンプ容疑者の逮捕については18日午後1時に警察の連絡を受けた役員から報告されたという。豊田社長は「役員も従業員も私の子供のような存在。謝るのも親の責任だ」と述べた。
迅速な対応の背景には、2009~10年の大量リコール(回収・無償修理)問題の反省もある。説明不足が重なったことで、米国では“トヨタたたき”に発展した。その後、豊田社長が米議会公聴会で自ら先頭に立って安全や品質の確保に向けて取り組む姿勢を示すと、潮目が変わった。