この中で法王は「地球温暖化は人類がつくり出した問題だ」と明確に指摘。化石燃料に加え、インターネットとデジタル機器や大量生産・大量消費に依存した発展モデルが問題を悪化させていると批判した。
その上で、「この傾向が続けば、人類は前代未聞の生態系の破壊に直面するかもしれない」と懸念し、人類の自己破壊を防ぐには生活スタイルを変える「大胆な文化革命」が必要だと訴えた。
国際会議を厳しく批判
さらにCOPなど気候変動をめぐる最近の国際会議について「政治的な意志が欠如し、効果的な合意に達することができなかった」と厳しく批判。「化石燃料に代わる再生可能エネルギーの開発などによって、今後数年間のうちに二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを大幅に削減する施策づくりが急務である」と、年末のCOP21での削減目標の合意を強く求めた。
さらに温暖化の影響は農業や漁業を生活の糧とする最貧国に最も深刻な被害をもたらしていると強調し、先進国の責任は「より大きい」と訴えた。さらに「強い政治、経済力を持つ人々が、この問題を覆い隠すか、悪影響を軽微なものにしようとしている」とし、温暖化に消極的な米国の保守派を念頭に激しく批判した。