このまま関係が改善されなければ、参院選での与党圧勝が確実になってくる。維新は2人区以上の都道府県での単独候補擁立に前向きで、おひざ元の兵庫、大阪、京都の3府県で候補を擁立すれば、民主の現職との「つぶし合い」が展開されることになる。
関東に目を移しても同様だ。例えば、定数3の千葉県では自民党が2人立候補の方針を決めており、維新がここで新人を擁立すれば民主の現職と競り合い、3議席目を共産党が奪うという事態も現実味を帯びてくる。
このため、党内には安倍政権に近づき過ぎるのは得策ではないという意見も根強い。そんな空気を察知したのか、松野頼久代表は17日の党首討論で安全保障関連法案での修正協議には「応じるつもりは全くない」と明言した。江田憲司前代表も15日、都内の会合で松野氏と同様、修正協議を否定した。安倍政権に近づく大阪系と、野党色が強い松野氏ら非大阪系の溝は埋まっているとはいえない。
いずれにしろ、野党同士の争いで得をするのは安倍政権だ。再編への展望が開けない「多弱」の野党の存在が、首相の政権基盤をより強固なものにしている。官邸サイドの野党分断策は今のところ成功しているといえる。(山本雄史/SANKEI EXPRESS)