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【佐藤優の地球を斬る】新疆ウイグル「第2イスラム国」誕生の恐れ (2/3ページ)

2015.6.22 16:00

昨年5月に中国・新疆ウイグル自治区ウルムチ市で起きた爆発事件の現場付近で警戒する武装警察隊員=2014年5月23日(共同)

昨年5月に中国・新疆ウイグル自治区ウルムチ市で起きた爆発事件の現場付近で警戒する武装警察隊員=2014年5月23日(共同)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 また、深刻な貧困問題を抱える中央アジア諸国では、多くの国民が労働移民としてロシアに出稼ぎに来ているが、労働条件の厳格化や景気の悪化を受け失職し、シリアやイラクでイスラム国に参加するケースが報告されている>(6月19日「産経ニュース」)

 封じ込めできぬ破綻国家

 中央アジアのキルギス、タジキスタンは事実上の破綻国家で、国内におけるイスラム原理主義過激派の策動を封じ込めることができない。ウズベキスタンもタジキスタン、キルギスと国境を接するフェルガノ盆地を実効支配することができていない。アフガニスタンにはISのテロリスト訓練基地ができているとの有力情報もある。

 ISの影響が、徐々に中央アジアに浸透している。ここで懸念されるのが、この影響が中国の新疆ウイグル自治区に及ぶ危険性だ。カザフスタン、キルギスと新疆ウイグル自治区の国境は、十分に管理されているとはいえない。中国当局は、新疆ウイグル地区への漢民族の入植政策を強硬に推進し、ウイグル人の民族運動に対しては、弾圧政策で望んでいる。その結果、ウイグル民族の間には、中国政府に対する反発が強まっている。このような状況を、今後、イスラム原理主義過激派が最大限に利用するであろう。

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