歌姫の抗議が巨象を動かした。米アップルは21日(日本時間22日)、今月末から開始する新しい音楽ストリーミングサービス「アップルミュージック」で、当初の決定を撤回し、3カ月間の無料お試し期間中もアーティストらへの印税を支払う方針を明らかにした。米人気歌手、テイラー・スウィフトさん(25)が20日、自身のブログで、お試し期間の未払いに抗議しヒットアルバム「1989」をアップルミュージックから引き上げると表明したことに対応したもので、21日朝にブログを見て慌てた社幹部が「試聴期間中もきちんと支払うよう対処する」と返信して確約。急転直下で一件落着したのだった。
SNSに公開書簡
スウィフトさんはこれまでにグラミー賞を何度も受賞し、米経済誌フォーブスが選ぶ「世界で最も影響力のある女性100人」の今年のリストに最年少で入る(64位)など、音楽シーンの大物。20日に多機能型SNS「タンブラー」に公表した公開書簡とも言うべきアップルへの抗議文は、「アップルへ 愛をこめてテイラーより」で始まり、「(試聴期間中はアーティスト側へ支払いが生じないという)事実を知った時は非常にショックでがっかりした。革新的かつ寛大なアップルらしくない」と批判。