「デンマーク人がなぜ西部劇?」。同じデンマーク人で、脚本も執筆したレヴリング監督から本作への出演を打診されたミケルセンは、不思議に思い、説明を求めた。「もともと米国は欧州の人々がやってきて、土地を開拓し、成立した国なんだ。例えば、デンマーク人、アイルランド人、フランス人、イタリア人など。そういう我々のストーリーを語るチャンスじゃないか」。熱のこもった監督の口説き文句に、ミケルセンは「やりがいのある仕事だと納得できたので、出演を決断しました」と語った。
凡人がヒーローに
実は脚本はミケルセンをイメージした当て書きだという。レヴリング監督はミケルセンの中に何を見いだしたのだろう。生き残りをかけたタフでダイナミックなシーンも満載の本作だが、アクロバチックなダンス、バック転、乗馬を楽々とこなしてしまう抜群の運動神経や、思わず物まねをしてしまうほどの大ファンという香港のアクションスター、ブルース・リーに傾ける情熱だけが理由ではなさそうだ。これについては、ミケルセン本人の見立てがユーモアたっぷりで実に面白い。