米国務長官の認識は甘い
4月の枠組み合意をそのまま認めると、イランはウランの高濃度濃縮技術を維持し続ける。複数のインテリジェンス専門家が、イランは約1年で広島型原爆を開発し、その後、1年で弾道ミサイルに搭載可能な小型化が可能になるとみている。
<米国は最終合意までに不可欠とした過去の核兵器開発疑惑へのイランの対処に固執しないとイランに譲歩姿勢も示す。「われわれの懸念は将来のことだ」(ケリー国務長官)とし、合意後の対応を求める考えとされるが、米議会内などからは反発が出る恐れもある>(6月20日「産経ニュース」)とのことであるが、ケリー氏のイランの脅威に対する認識は甘い。「イスラム国」(IS)対策でイランと提携したいというオバマ政権の思惑が透けて見える。
イランは、事態は自国にとって有利に進んでいると自信を持っている。25日、国営イランラジオはこう報じた。<イランのローハーニー大統領が、我慢強く、冷静沈着に国民の助けや、イスラム革命最高指導者ハーメネイー師の導きと支持により、核協議を推進させるとしました。イラン大統領府のインターネットサイトによりますと、ローハーニー大統領は24日水曜夜、政治活動家らが参加した断食終了の夕食会エフタールで、「イランの国民の力を強化するための方法のひとつは、政治的な問題について世界と対話を行い、合意に至ることだ」と述べました。