子供に夢や希望を
石川社長はシンドバッドを選んだ理由について「世界中にいる大勢の子供たちと物語の楽しさを分かち合うために、主人公は世界を飛び回る人物とし、物語は世界の人々が知っている有名なものを選ぼうと考えました。世界中の子供たちに夢、希望、感動を与える-というのが、私たちの理念なのです」と説明した。シンドバッド役のオーディションに合格した村中は「世界名作劇場には子供の頃から大好きな作品がたくさんあります。失敗を恐れずに突き進むシンドバッドも好感が持てますね。世代を超えて楽しんでもらえる作品になればいいなと考えながら頑張りました」と振り返った。
プロの声優と、舞台、映画、テレビを活躍の場とする俳優がアニメ作品で共演する場合、アフレコは別々に行われるケースが多いそうだ。本作では「一緒にアフレコを行った方がいいものができるに違いない」と考えた監督たちの判断で、村中は35年ぶりに声優に挑んだ薬師丸と一緒に臨んだ。「ある場面で、挿入歌『わたりどり』を口ずさむ薬師丸さんの歌を聴いた後、シンドバッドのせりふをとりました。薬師丸さんが、いよいよ母親との別れが迫るシンドバッドの心象風景を見事に歌によって表現してくださったので、私はそこにすっと入っていくことができました。泣きそうになりながら聴いていました。歌の力はすごい」