稀勢の里(きせのさと、左)との稽古で汗を流す鶴竜=2015年7月4日、愛知県名古屋市天白区の二所ノ関部屋宿舎(共同)【拡大】
鶴竜は約2カ月ぶりとなる関取衆との稽古を2日に再開したばかり。4日は稀勢の里(きせのさと)、琴奨菊(ことしょうぎく)の両大関と16番取り、左での巻き替えを何度も試みた。稀勢の里には序盤こそ圧倒されたが、最後は突き、押しなどで3連勝。合計9勝7敗で終え「もう少しどっしりしたものが欲しいが、どんどん稽古をすれば体が思い出してくれる。調整して感覚を取り戻したい」と手応えをうかがわせた。
横綱になった昨年夏場所から1度も優勝がなく、休場中にはモンゴル出身の後輩、照ノ富士が初優勝で大関昇進。鶴竜の存在感は薄くなる一方だけに、今場所は正念場だ。「小さくならず、楽しむ気持ちで相撲を取る。体がやっと普通になったのがうれしくてたまらない」と悲壮感はない。8月には30歳となる。技巧派横綱はモットーの自然体で苦境に挑み、20代最後の場所へと向かう。(SANKEI EXPRESS)