男性はその後、日本人の収容所ができると聞き、ソ連に戻ってハバロフスクの収容所などで通訳として働いた。ゴルバチョフ元ソ連大統領の通訳として来日した経験もあると話した。
ただ、ソ連ではハルビンから帰国した者たちにスパイなどの嫌疑がかかるケースがあったため、多くの人は渡航歴があっても口をつぐんでいたという。男性は「多くの無実の人が投獄された過酷な時代を、運よく生きてこられた」と話した。取材したのは10年以上も前のことで、生きていれば90歳近くになる。
48歳の筆者には直接の戦争体験などないが、戦争とはどういうものかを語り継ぐ必要はあると思う。どう実感を込めて次の世代に伝えられるかが課題なのであり、私たちの世代が戦争についてどれだけ真剣に親たちから話を聞き、考えて育ったかが問われている。
戦後70年を迎えての思いだ。(外信部 佐藤貴生/SANKEI EXPRESS)