大関稀勢の里(きせのさと、左)と稽古をする横綱白鵬=2015年7月6日、愛知県長久手市の田子ノ浦部屋宿舎(共同)【拡大】
大相撲名古屋場所(12日初日・愛知県体育館)で主役となる4人が6日、一つの土俵に集まった。白鵬、日馬富士(はるまふじ)の両横綱と新大関照ノ富士が、大関稀勢の里(きせのさと)のいる愛知県長久手市の田子ノ浦部屋へ出稽古。4人の申し合いは実現しなかったが、白鵬と稀勢の里の三番稽古(同じ相手と続けて取る)が出色だった。
白熱の15番だった。場所前最初の出稽古相手として、白鵬が選んだのは天敵の日本人大関だった。「先場所で負けた一番の一人だから、ここまで来た」と話す。毎場所のように火花を散らす両者が稽古場で対戦するのは、約1年半ぶりだ。
右四つなら白鵬、左四つなら稀勢の里が優位に立ち、土俵際でもつれる場面もあった。結果は横綱の8勝7敗と互角の内容。白鵬は「いい稽古ができた。これから精いっぱい仕上げていく」とうなずく。照ノ富士に対しては「彼が活躍することで盛り上がる。そういう視点でみんなも見ている」とエールを送った。
悲願の初優勝が期待される稀勢の里は好調を維持。白鵬との稽古だけにとどめ「照ノ富士ともやりたかったけど、体がかなりこたえた。横綱には中途半端な相撲では勝てない。でも自信をもってやっていきたい」と迫る本番へと気合を高めた。(SANKEI EXPRESS)