ファン層は銀座という土地柄もあって、10~50代までと幅広く、欧米人の観光客もよく立ち寄る。質の高い素材を使いながら価格は手ごろに抑え、ウエストにゴムを使うなど、体形をさりげなくカバーする仕立てであることも人気の理由だ。「いい意味での緩さと抜け感があり、この数年、ファッション業界のトレンドとなっているエフォートレスな心地よさを体現している。手持ちのアイテムに合わせやすいデザインである点も魅力」とバーニーズの担当者は言う。
2015年のコレクションは「米映画『あの頃ペニー・レインと(Almost Famous)』にインスパイアされたもの」とショーンさん。1970年代のロックミュージシャンとグルーピー(追っかけファン)との交流を描いた2000年制作のヒット作だ。
70年代回帰は最近のトレンドで、ベトナム戦争への反戦ムードを背景にしたフラワームーブメントやヒッピー文化をもとに当時、流行したパッチワークや刺繍(ししゅう)、ミリタリールックなどを「現代風にアレンジしたの」とモニカさん。西海岸発だった当時の文化に、現代ニューヨークの「国際都市でエネルギーにあふれている」(ショーンさん)テイストをちりばめた。現在はマンハッタンでもファッション感度の高い地区として知られるキャナル・ストリートを拠点にしている。