7月8日、フランス・ストラスブールで開かれたEUの欧州議会で演説するギリシャのアレクシス・チプラス首相=2015年(ロイター)【拡大】
EU側がユーロ圏分裂という「切り札」を示した背景には、各国の国民感情への配慮がある。
支援で最大の負担を強いられてきたドイツ国民のギリシャへの不信感は特に強い。メルケル氏は、緊縮財政と引き換えに支援することで国民の理解を得てきただけに、チプラス氏の反緊縮路線には譲歩できない。
支援決定などの際に、連邦議会(下院)の同意が必要なこともメルケル氏の手足を縛っている。ことし2月の支援延長の際には、連立与党から約30人の造反者が出た。チプラス政権から緊縮策実行の「担保」を引き出し、議員を納得させる必要がある。
余裕の笑み チプラス氏
ギリシャより“貧しい”東欧・バルト諸国や、債務危機で同様に緊縮策を実行した他の国々でもギリシャへの反発は強まっている。フランスのオランド大統領は「国民投票で(改革の)責任は免除されない」とくぎを刺した。
しかし、最後通告を突き付けられても、反緊縮派のチプラス氏は余裕の笑みさえ浮かべて「今週末までに解決できる」「ユーロ圏離脱の懸念は払拭される」と自信を示した。