ユークリッド・ツァカロトス財務相(左)とともに会議場を後にするギリシャのアレクシス・チプラス首相。EU(欧州連合)の支援合意に、表情は柔和だった=2015年7月13日、ベルギー・首都ブリュッセル(ロイター)【拡大】
EUのドナルド・トゥスク大統領(58)は13日、首脳会議後の記者会見で「合意により、ギリシャは欧州のパートナーの支援を受けて再び軌道に乗ることになる」と表明。ジャンクロード・ユンケル欧州委員長(60)は「ギリシャのユーロ圏離脱はなくなった」との認識を示し、ギリシャのアレクシス・チプラス首相(40)もユーロ圏離脱は「過去のものになった」と述べた。
ただ、今回の合意は、各国の異なる本音と建前が複雑に交錯する中で築かれた“砂上の楼閣”ともいえる。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(60)が「メリットがデメリットを上回る内容だ」と語った、合意が妥協の産物だったことを表す言葉が現実をよく伝えている。
ギリシャはこれまで、財政赤字削減ができずに何度も行き詰まってきた。今回金融支援再開が決まっても、債務が返済できず同じことの繰り返しになる懸念がある。また、ギリシャの国民にすれば国民投票までしたのに緊縮策受け入れでは、チプラス政権に対して裏切られたという感情を持っても不思議ではない。政権基盤が揺らぎ、政局や選挙になだれこむようだと先行きは全く不透明になる。