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【逍遥の児】時代を超えた異能 放浪の画家・山下清 (2/2ページ)

2015.7.14 10:50

 山下は入園して6年後、突然、放浪の旅に出る。いかなる心境だったのか。

 当てがあったわけではない。田舎に出かけた。広々として気持ちがいい。腹が減ると、見知らぬ人からおむすびをもらって食べた。金がないので旅館には泊まれない。駅舎で寝ることが多かった。気ままにふらふらしているだけではない。仕事を探し、鮮魚店や駅弁販売店などに頼み込み、住み込みで働いている。楽しみは花火大会だった。多くの町に出かけ、自分の好きな所に座って心ゆくまで堪能した。

 ところが、しばらくすると、八幡学園が恋しくなる。学園にもどる。旅先で印象に残った情景を思い出し、貼り絵を制作した。評価は高まっていく。「日本のゴッホ」とも呼ばれた。彼は名声にこだわらない。また、ふらりと旅に出る。このへんがファンにとってたまらない魅力ではないか。1971年、この世を去った。享年49。

 さて、八幡学園。今も福祉型障害児入所施設として存続している。3代目の久保寺玲(あきら)園長(59)と会った。学園では初代園長の理念を引き継ぎ、造形・美術教育に力を注いでいる。「すばらしい作品を制作する子もいますよ」と笑顔で語った。(塩塚保/SANKEI EXPRESS

 ■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。

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