2008年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が10年ぶりに実施した飛行士選抜試験に応募した。関口さんは「落ちるのが親孝行だよ」と思わず忠告、自衛官を辞めることに●(=ごんべんに甫)司さんも反対した。だが、恭代さん(46)は「受けてみたら」と背中を押してくれた。
1000人近い応募者のなか、試験を次々と突破して、歴代最年長の39歳で選抜された。合格後、恭代さんが「人生が変わってしまった。余計なことをしたかな」と尋ねると、「良い方向に変わったよ」と答えが返ってきた。
「集団行動の時に『私が、私が』と前に出るタイプではないが、安定して高いレベルで作業するので周りが疲れてくると、彼は光り出す」と、JAXA選抜事務局の阿部貴宏グループ長は話す。「リーダーシップは備わっている。今回実績を残せば次の機会に十分(船長を)狙える」と期待する。
小学校の卒業文集に「20年後ぐらいには(中略)火星に行っている」と書いた油井さん。大きな夢に一歩近づいた。(共同/SANKEI EXPRESS)