寄り切りで稀勢の里(きせのさと)を敗った白鵬(右)=2015年7月25日、愛知県名古屋市中区の愛知県体育館(森本幸一撮影)【拡大】
結びは、自分の間合いで立った白鵬の完勝だった。左張り、右かちあげで立ち遅れた稀勢の里の上体を起こす。すかさず右を差し、一方的に寄り切った。「昨日は立ち遅れたので、今日はしっかり当たろうと思った。一直線で手も足も出て、良い相撲だった」。自画自賛した。
1つ前の取組で鶴竜が勝ったことで、この日の優勝はなくなったが「相星と、1つの差で千秋楽を迎えるのは全然違うから」と気を引き締め直す。
10日目、栃煌山(とちおうざん)に喫した黒星を引きずらず、千秋楽まで来た。本割で鶴竜に勝てば、賜杯が手に入る圧倒的に有利な展開。自身の持つ最多記録を更新する35度目の優勝が確実に近付いてきた。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)