環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する主要閣僚会議であいさつする安倍晋三(しんぞう)首相(中央)。右は甘利明(あまり・あきら)TPP担当相=2015年7月24日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】
一方、カナダは10月に総選挙を控え、国民の反発を招く譲歩はしにくい事情がある。米国との関税協議を優先しているが、米国が求める乳製品や鶏肉などの市場開放は拒み続けている。
ニュージーランドは、生産量の95%を輸出している乳製品で一定の輸出拡大を勝ち取れない限り、米国と対立する知的財産の新薬のデータ保護期間で譲歩しない構えをみせる。新薬のデータ保護期間や国有企業改革で米国と対立するマレーシアも慎重姿勢を維持しているもようだ。
もし、今回の会合で合意できなければ、来年に大統領選を控える米国の政治日程を踏まえるとオバマ政権での批准は困難になる。
「ゴールテープに手が届くところまで来たが、交渉は最後が一番難しい」
首相は24日、官邸で開いたTPP関係閣僚会議でこう語った。甘利氏は「これが最後という気持ちで12カ国が臨まないと、交渉はまとまらない」と訴える。(本田誠/SANKEI EXPRESS)