環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する主要閣僚会議であいさつする安倍晋三(しんぞう)首相(中央)。右は甘利明(あまり・あきら)TPP担当相=2015年7月24日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】
台湾の卓士昭・経済部政務次長(副大臣に相当)は26日までに、産経新聞などの取材に応じ、危機感をあらわにした。
台湾はスマートフォンやパソコン、半導体など輸出品目の約75%が韓国と重なる。FTAで韓国は米欧中の3大市場を含む15カ国・地域と妥結し、中国とのFTAは年内発効の見通しだ。台湾は中米諸国とシンガポール、ニュージーランドの7カ国にすぎず、先んじる韓国に焦りをにじませている。
こうした中、TPP交渉への台湾の経済関係者の注目度は高い。韓国は協議に加わっておらず、TPP参加は巨大自由貿易圏の一員となる起死回生策にもなるからだ。12カ国による第1陣が妥結すれば「来年後半以降の第2陣への参加」(中華経済研究院の李淳氏)が、選択肢として浮上しそうだ。
しかし、TPPへの参加は、経済の中国依存の是正につながる半面、政治的には中国を刺激しかねない。台湾は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加申請したが、中国側に受諾されていない。韓国がFTA妥結やAIIB参加で中国に近づく中、台湾外交は難しいかじ取りを迫られそうだ。(塩原永久/SANKEI EXPRESS)