会談するウラジーミル・プーチン大統領(左)とドミトリー・メドベージェフ首相。首相は大統領の訪日をにらみ、意図的に北方領土交渉を頓挫させようとしている=2015年7月15日、ロシア・首都モスクワ(AP)【拡大】
さらに危険なのは、ロシアが第三国の企業に土地を分与する可能性が排除されていないことだ。
<露政府は先月、2016~25年に700億ルーブル(約1403億円)を投じる新たな「クリール諸島(千島列島と北方領土)発展計画」案を承認。インフラ整備を集中的に進め、北方領土などの人口を25%増の2万4000人とすることが盛り込まれている。
極東サハリン(樺太)州の高官は先月末、日本が北方四島での共同事業に関心を持たないなら、「韓国その他の国の参画を検討する」と発言。政府は北方領土での経済特区創設を検討しており、第三国の資本が大規模に流入した場合、北方領土交渉が複雑化することは必至だ>(8月4日付「産経新聞」)
本件は、経済案件なのでメドベージェフ首相の指揮命令下で進められている。首相は、年内にプーチン大統領の訪日があり得ることを考慮して、北方領土交渉が頓挫する環境を意図的に作り出そうとしている。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)