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【佐藤優の地球を斬る】「北方領土で譲歩なし」読めぬ日本 (3/4ページ)

2015.8.15 10:00

北方領土の択捉島で「全ロシア青年教育フォーラム」に出席し、参加者らに囲まれるロシアのユーリ・トルトネフ副首相(中央)=2015年8月13日(共同)

北方領土の択捉島で「全ロシア青年教育フォーラム」に出席し、参加者らに囲まれるロシアのユーリ・トルトネフ副首相(中央)=2015年8月13日(共同)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 第2は、トルトネフ首相が政府の役職のみならず大統領府の極東管区大統領全権代表を兼任していることだ。従って、トルクノフ氏の今回の択捉島上陸は、プーチン大統領の決裁も得た上で行われていると見るのが妥当だ。「北方領土問題の解決について、メドベージェフ首相がさまざまな妨害をしても、プーチン大統領が前向きになので、大統領の年内訪日が実現すれば、領土問題を含む平和条約交渉に前進がある」という希望的観測を首相官邸や外務省の杉山晋輔外務審議官はしているようであるが、このような認識は改めた方がいい。プーチン大統領は、メドベージェフ首相の反日的な動きを止めないだけでなく、大統領府高官の北方領土上陸を積極的に認めているのである。プーチン大統領とメドベージェフ首相は、立場を使い分けながら北方領土問題について日本を揺さぶっているのである。

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