中国の若者向けに日本のさまざまな文化を紹介する月刊誌「知日」を手にする主筆で神戸国際大学教授の毛丹青氏=2015年8月18日、中国・首都上海市の日本総領事館(河崎真澄撮影)【拡大】
一方通行に近い意思疎通
この日の講演会に参加した上海理工大学3年生の張錦程さんは「高校生のときに『知日』を読んだことが日本語の独学を始めるきっかけだった」という。ネットワーク技術が専門の張さんは9月から福井大学に留学予定。「知日がかつて特集した『鉄道』に出てきた列車や路線を日本各地に訪ねたい」と目を輝かせた。
北京生まれで北京大学を卒業後、日本に留学し、そのまま日本に在住する毛氏。「知日」が中国で巻き起こした新たな現象を日本人にも伝えようと、今年1月に日本語によるダイジェスト版「知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!」を書籍として出版した。
反日デモが吹き荒れた創刊当時も、改善の兆しが見えたとはいえ必ずしも関係が順調ではない今も「それでも日本を知りたい」と考える中国の若者が少なくない事実を訴えたかったという。
一方、講演会後のパネルディスカッションに登場した愛知大学4年生で上海留学中の吉田龍史さんは「中国に来て分かったのは、日本人が考えている以上に中国人は日本のことを知っていること。日本人は中国のことをニュース報道くらいでしか知らないのではないか」と発言した。日中間の意思疎通はなお“一方通行”に近いのだろうか。