「(企業収益が)過去最高値を更新する動きが続いているのと比較すると、設備投資の回復はまだ弱い」「(賃金改善など)踏み込んでもらうのは企業の仕事だ」-。
国内総生産(GDP)4~6月期速報値が3四半期ぶりのマイナス成長となった8月中旬以来、安倍晋三政権で経済成長のかじ取りを担う甘利明経済再生担当相の民間企業に対する発言が厳しさを増している。
GDPを見る限りでは景気が一時的に停滞する「踊り場」に入った可能性もあり、節約志向の浸透で個人消費の低迷も長期化しつつある。政府は企業収益の改善などを背景にした“強気”の景気回復シナリオを描いてきただけに、甘利氏の発言の裏には、収益を賃金改善や設備投資などに還元するテンポが鈍い企業へのいらだちとともに官主導で経済を牽引(けんいん)してきたアベノミクスの“限界”を示唆しているかのようにも感じる。