「改善テンポにばらつきもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」-。「踊り場経済」になったことによるものなのか、政府が発表した月例経済報告(8月分)には「苦心の跡」が見受けられた。内閣府によると「改善テンポにばらつきがある」との表現は「ここ最近、使ったことがない」そうで、個人消費と輸出入の下方修正を認めながらも、何とか全体の基調を「緩やかな回復」にとどめるために絞り出したアイデアともいえる。
安倍政権をめぐっては「景気回復と株価で支持率を保っていた」(経済官庁幹部)との見方も強く、アベノミクスがつまずけば政権基盤が揺らぎかねない。物価上昇に家計の所得が追いついておらず、アベノミクスの恩恵を肌で感じにくい状況に陥っていることも大きな課題だ。
エコノミストの世界では2四半期連続でGDPがマイナス成長を示せば、景気後退局面とみなされ、アベノミクスの是非すら問われかねない。4~6月期のマイナスは「(天候不順など)一時的な要素がかなり大きい」(甘利氏)としていたが、中国経済の減速が顕在化するなか、7~9月期のGDPをプラス成長へと反転させ、さらに景気実感を高めていくことができるのか。安倍政権にとって「正念場の秋」となりそうだ。(川上朝栄/SANKEI EXPRESS)