常照寺(京都市北区鷹峯)が所蔵するアクリル額装絵「睡蓮と仲間達」。蓮は寺によく描かれるモチーフだ。常照寺では1年のうち数カ月しか公開されないため、久々のお披露目となった=2015年9月2日、京都市下京区の京都高島屋(田中幸美撮影)【拡大】
京都を拠点に精力的に壁画を制作する壁画絵師のキーヤンこと木村英輝(ひでき)さん(73)が、約5年ぶりの個展「キーヤンコレクション 繪舞台(えぶたい) 琳派ロック」を京都市下京区の京都高島屋で開催中だ。屏風(びょうぶ)や襖絵(ふすまえ)、掛け軸、タペストリーなど約100点を集めた。「描いたことさえ忘れた」作品もあると笑うキーヤンは、「僕のコレクションは美術館的な演出をしていないので、美術展というよりポップカルチャーみたいな感じに捉えてほしい」と話す。
キーヤンは、これまでに京都を中心に国内外150カ所以上に壁画を描いた。8月下旬には、自身の制作チームとともにカナダ・トロントに飛び、炙(あぶ)り寿司レストランの大ホールなどにキングサーモンとメープルリーフを描いたばかり。
活動の中心である壁画は展示できないため、個展は壁画以外の作品で構成。「いつもは壁画を描きに行っているわけやから、襖や屏風はいってみれば“副産物”。こんなにたくさんあるとは知らなかった」と話す。