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男と男の一騎打ち まるで西部劇 「川崎のぼる~汗と涙と笑いと~展」 椹木野衣 (1/5ページ)

2015.8.31 13:00

花形満「巨人の星」(原作:梶原一騎)。カラー:講談社『週刊少年マガジン』(掲載年不明)。(C)梶原一騎・川崎のぼる/講談社

花形満「巨人の星」(原作:梶原一騎)。カラー:講談社『週刊少年マガジン』(掲載年不明)。(C)梶原一騎・川崎のぼる/講談社【拡大】

  • 星飛雄馬「巨人の星」(原作:梶原一騎)。カラー扉:講談社『週刊少年マガジン』1968(昭和43)年43号。(C)梶原一騎・川崎のぼる/講談社
  • 「いなかっぺ大将」。2色カラー扉:小学館『小学三年生』1970(昭和45)年2月号(提供写真)
  • 「荒野の少年イサム」(原作:山川惣治)。モノクロ見開き内容:集英社『週刊少年ジャンプ』1972(昭和47)年18号(提供写真)
  • 「枯野の鬼」。モノクロ扉:集英社『別冊マーガレット』1966(昭和41)年3月号読切(提供写真)

 【アートクルーズ】

 川崎のぼるが筆を振るった代表作が『巨人の星』であることは、あらためて言うまでもないだろう。梶原一騎の原作による本作は、世にいわゆる「スポ根(スポーツ根性もの)」なる言葉を生み出し、まさに一世を風靡(ふうび)した。といっても、若い読者の方々はご存じないかもしれないので、少しだけ筋を追っておこう。

 「ド根性」の時代

 主人公の星飛雄馬(ほし・ひゅうま)は、父・星一徹(いってつ)のもと、プロ野球界で常勝を誇る巨人軍の「星」を目指すべく、幼いころから常識外れの特訓に明け暮れる。彼のまえには次々に「宿命のライバル」が名乗りを上げ、全身全霊で星に挑戦。これに対し勝利と挫折を繰り返しながら成長した星は、やがて目指す巨人軍に入団。「大リーグボール」と呼ばれる魔球を次々に編み出し、さらに強大な敵との一騎打ちへと挑んでいく…。

 物語で重要視されるのは、科学的な知見にもとづく体育や、洗練された技術ではない。身の破滅さえ招きかねない、体力などはるかに超えた「ド根性」だ。そうして、集団競技であるはずの野球とは思えない「男と男の果たし合い」が延々と続くのである。世はまさに、高度経済成長期の絶頂に差し掛かりつつあった。

ギャグから絵本へ

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