決して広いとはいえない会場は、まるで迷路のように巧みに構成され、ゆうに300点を超える作品が飾られている。先の第一部に続くのが第二部「一騎当千~汗と涙と笑いと」だ。ここでは、『巨人の星』を経て、超売れっ子になった川崎の、ギャグマンガ家としての、もうひとつの顔『いなかっぺ大将』や、原点となる西部劇を集大成した『荒野の少年イサム』、そしてコメディータッチの生活ドラマ『てんとう虫の歌』といった、テレビアニメ化もされたバラエティー豊かな代表作が続く。
以後、第三部「一意専心~マンガ家・川崎のぼる誕生」では、大阪でデビューまもない貸本時代の貴重な資料が並び、第四部「一所不在~少年誌から青年誌へ」では、時代や読者の変化に合わせて作画の工夫に挑んだ川崎ならではの探求、そして掉尾(とうび)を飾る第五部「心機一転~絵本・イラスト・熊本での活動」では、絵本作家としての川崎のまた別の一面や、長く仕事の拠点とした三鷹から、少年時代を過ごした九州・長崎にも近い熊本へ転居してからの、地元に密着した仕事が紹介される。