自転車のカゴにおとなしく乗っているその姿は凛として威厳があった。飼い主の紳士はこの愛犬を連れて路上パフォーマンスをしてみんなを笑わせるのが楽しみと言った=キューバ・首都ハバナ(酒井久美子さん撮影)【拡大】
サルサの哀愁に満ちた旋律とどこか物悲しいスペイン統治時代の建物、今も走る1960年代のアメリカ車。こんな風景が世界にあるのだろうか? いま自分がそんなハバナに居ると思うと来てよかったと実感した。旧市街のオビスポ通りを見物しながらカテドラル広場へ。
とても暑い日で冷たい飲み物でもと、「エル・テンプレーテ」でしばし休憩。2階はオープンエアになっていてハバナ湾が見渡せた。キューバ名物の青バナナを揚げたチップス「マリキータ」と冷えた「モヒート」を飲んだ。すっかりキューバにつかりきった感じがした。
セントラル広場の小道を曲がると民族衣装に葉巻をくわえた婦人が椅子に腰掛けてひと休みしていた。なんと足元には婦人の真っ白な衣装と対照的な真っ黒なネコちゃんがいる! 「写真を撮らせて」とお願いしてパチリ! 「今は休憩中だからチップは要らないよ」とウインクした。
なんだかうれしい気持ちになった。
私がハバナを発った2日後の7月20日にキューバ・アメリカ相互に大使館を開設し54年ぶりに国交が再開された。
「愛すべきハバナのネコちゃん ワンちゃんに幸多かれ!!」