女子58キロ級の決勝でフィンランドのペトラマーリト・オッリ(左)を攻める伊調馨(いちょう・かおり)=2015年9月10日、米ネバダ州ラスベガス(共同)【拡大】
単純に勝利を追い求めたのは、北京五輪までだった。2009年秋から男子選手との練習に取り組み「本能でなく、理詰めで闘うレスリング」に引かれるようになった。世界の頂点を争うこの大会すら、位置づけは「技術を確認するための舞台」だ。
5試合全てでフォールかテクニカルフォールを奪い、相手にはポイントも与えない完全優勝。だが、オッリとの決勝で決めた、豪快な両脚タックルすら、反省材料となる。狙っていたのは、組み手と連係した素早い片脚タックルだった。しかし、相手の厳しい組み手に封じられ、苦し紛れで大技に頼った。「無意識で出てしまった」。それが許せなかった。
ロンドン五輪後は、3度の世界選手権を含む5つの国際大会に出場し、19試合全てがフォールかテクニカルフォールでの圧勝。それでも「課題、反省点を探さなくなったら、レスリング人生が終わる時。取ることはないと思うが、百点を目指したい」。4連覇の懸かるリオデジャネイロ五輪へ、孤高の旅は続く。(共同/SANKEI EXPRESS)